ハッカーというと、国や企業など他人のコンピューターシステムに不正侵入して犯罪行為を働く人物を想像すると思います。これはもちろん正解なのですが、実はハッカーには「黒」と「白」があることをご存じでしょうか?
黒と表現されるハッカーは、先ほど登場した犯罪者のことです。中国語では犯罪を働くハッカーのことを「黒客」をいうので、やはり黒いハッカーは犯罪者と認識されているようです。それに対して「白」のハッカーは、ホワイトハッカーといってハッカーなどの犯罪者から守ってくれるサイバーセキュリティのプロのことです。
ハッカーのことを知るのは、やはり同じハッカーです。しかしその知識や技術を社会を守るために使うのが、ホワイトハッカーです。ホワイトハッカーは今や社会に無くてはならない存在で、企業からも引っ張りだこです。そんなホワイトハッカーに興味がある方が、今知っておくべき知識をまとめました。
ホワイトハッカーの定義
コンピューターやシステムの脆弱性(攻撃の的になるところ)を熟知して、しかもその攻撃方法まで知っているものの、その知識を逆に攻撃から守ることに使う「正義のハッカー」をホワイトハッカーといいます。もちろん犯罪行為を働くハッカーと持っている技術は同レベルで、その技術を善に使うか悪に使うかでその定義が分かれます。
サイバー攻撃がどんどん巧妙化、高度化している中、企業など特定の対象だけでなく社会全体を守る存在として、そのニーズはどんどん高まっています。
ホワイトハッカーの仕事内容
ホワイトハッカーの役割は、サイバー攻撃からコンピューターやシステムを守ることです。そのために具体的にはどんなことをしているのでしょうか。
- セキュリティポリシーの構築
- セキュリティシステムの実装
- セキュリティシステムの運用
- サイバーセキュリティに関するコンサルティング
ホワイトハッカーは攻撃者のことをよく理解しているので、何が狙われるか、どんな攻撃を仕掛けてくるかといった攻撃パターンを熟知しています。その技術をいかして攻撃を防御するセキュリティ体制を構築し、実装、そして運用しながら常に脅威から守るのが主な仕事です。
それ以外にもセキュリティの知恵袋のような存在としてアドバイスやコンサルティングをしているホワイトハッカーもいます。社会のほとんどの人はサイバーセキュリティについて素人です。しかもニュース報道などで怖いイメージばかりを持ってしまい不安を抱えている人がほとんどです。そんな人たちに安全を提供し、安心してもらうことで感謝される素晴らしい職業です。
ホワイトハッカーになるには?必要資格は?
ハッカーがコンピューター全般にわたる幅広い知識を持っているのと同じように、ホワイトハッカーも同様の知識を持って対抗する必要があります。プログラミング技術も重要ですが、それは手段のひとつにすぎません。ホワイトハッカーに求められるスキルを挙げてみると、以下のようになります。
- OS、アプリケーションを含むコンピューター全般の知識
- プログラミング技術
- サイバー攻撃の最新事情、手口など
- ネットワークの知識
- サイバーセキュリティに関する知識全般
- 英語力
最後の英語力については「なぜ?」と思われたかもしれません。新たなマルウェア(悪意をもったソフトウェアでウイルスなどのこと)の情報は英語で公開されることが多く、しかもマルウェア自体も海外で作られているものがほとんどなので、英語ベースでのやり取りになることが多いため、ホワイトハッカーにもある程度の英語力は必要になるでしょう。
具体的にホワイトハッカーの資格があるわけではありませんが、以下のような資格があるとホワイトハッカーとして活躍できるだけのスキルがあることを証明しやすくなります。
- CompTIA Security+
- 認定ホワイトハッカー(CEH)
- 情報処理安全確保支援士技術者試験
- 公認情報セキュリティマネージャー
などなど
ハッキング行為は犯罪なので、それを養成する学校はありません。ほとんどのハッカーは独学で知識を吸収し、経験を通じて技術を高めています。しかし、ホワイトハッカーには社会的なニーズがあるのでそれを養成する学校があります。ここでご紹介した知識や技術は札幌デザイン&テクノロジー専門学校の「ホワイトハッカーコース」で網羅されているので、4年間のカリキュラムでプロとして活躍できるだけのスキルが身につきます。ホワイトハッカーなどセキュリティエンジニアの仕事は必要なスキルが広範囲にわたるので、独学よりもしっかりとカリキュラムが構築された専門の学校で学ぶのが効率的で、セキュリティのプロになる最短ルートです。
もっとも、学校で学べることは長い社会人人生の基礎となる部分です。特に技術の進歩が速いサイバーセキュリティの世界ではプロになってからも常に新しい情報を吸収し、最新のセキュリティ事情を理解しておく必要があるのは、言うまでもありません。